混沌の新春ひとり対談2002(笑)を少しお休みして、今回は最近発売になった僕の著書を詳しく紹介したい。そう、1台のパソコンでWindows98/Meも、XPも使ってしまおう、という今の時代にピッタリの本『1台のパソコンでWindows 2000/XPと98/Meを使う本』だ。

■98/Meと2000を1台のパソコンで使う

1台のパソコンで98/Meと2000を使う本(旧版)。2000の共存インストールには、こちらの方が良いだろう。

実はこの本の前身は『1台のパソコンでWindows98/Meと2000を使う本』(ソーテック社 定価1800円)だ。Windows98/Meを使っている人が、「もっと堅牢で安定したWindows 2000も使ってみたいけれど、一気に移行する勇気もキッカケもない」という声に応えて書いた。Windows98/Me環境にWindows2000をデュアルインストールする手順を中心に下記の校正内容で書いたのだが、これがなかなか売れてくれた。買ってくれたみなさん本当にありがとう。
日経のFind'Xの売れ筋パソコン本ランキングでも半年以上に渡り「Windows98関連/その他」部門で上位に位置していた。あぁ、幸せだ。

• 共存させるとこんなに便利
• 98/Meと2000の違い
• Windows2000インストール基礎知識
• ソフトの再インストールが必要
• パーティションの上手な分け方
• PartitionMagicを使って領域を変更してみる
• アプリの共有
• マイドキュメント、ブックマークの共用
• 2000で起動時にテンキーをONにする。
  ほか

■いずれ、みんなXPに目を向ける
「史上最悪のWindows」と評されたWindows Meの後継として登場したのがWindows XPだ(Meを史上最悪のWindowsと言っている人はWindows3.0を見たことないに違いない(笑))。しかし、Windows XPは多くのユーザにとって「そんなに目くじら立てて騒ぐほどのOSかい?」と冷ややかに迎えられている。発売当初すら、ニュースサイトが報道する記事も実に冷ややかで、「Windows XP、発売1週目の売れ行きは地味(CNET) 」「“小売不振”が取りざたされるなか，Windows XPのマーケティング責任者が交代(ZDNet)」、更に「Windows XP，ギャルゲーに敗れる……(ZDNet)」など手厳しい記事も。追い打ちをかけるように「ニコン，XP上でExif画像が破損する危険性を告知(ZDNet)」「Windows XPに“これまでで最悪”のセキュリティホール(ZDNet)」「Windows XPがノート機でフリーズ、パッチを公開(CNET)」「Windows XPのCD-RW書き込みでファイルが消える(CNET)」など雲行きは怪しい。

しかししかししかし、Windows XPが新Windowsとしてリリースされた以上、出航した巨大客船をユーザは止めることはできない。みんないずれはWindows XPか、またはその路線の後継OSを使うハメになるのであ〜る。悲しきかな選択肢は見あたらない(電気スタンド好きの人は除く)。Windows95はもちろん、98/Meのサポートは次第にドンドンうち切られていく。既にWindows-NTなんてサポート外のOSになりつつある。ネットワークの基幹OSであるにも関わらず、だ。そんな阿呆な。 でも、それが現実。いずれはWindows MeやWindows2000も「サポート打ち切りっ!! そんな旧型のOSはとっととワームの餌食ねーっ」とか言われる日も近いかも。悲惨。

それはさておき、そんなことになってくると困るのは今までなんの不自由なく使っていた周辺機器やアプリケーションソフトの数々。慣れ親しんだ愛機や愛ソフト(なんか素敵な響きだ)達はWindows XPなんて無縁・・だいたい作った会社はとうに破綻してる・・なんて状況にゃあ、XPに移行なんて嫌に決まっている。そんなとき「そうだ、今までのWindows98/Me環境はそのままに、Windows XPも共存インストールするデュアルブートにしよう!!」となるのである。

■98/MeとXPを1台のパソコンで使う

1台のパソコンで98/XPを使う本(新版)。2000の共存インストールも共通点が多いので併記している。

で、Windows98路線とWindows2000路線が統合され、Windows2000の流れを受け継ぐ新Windows、Windows XPがリリースされたことに合わせ、この度改版したのが、この『1台のパソコンでWindows 2000/XPと98/Meを使う本』(ソーテック社刊)だ。

なんたって310ページもあるブ厚い本なのに定価1,780円+税と、断然お得だ。

Windows98/MeにXPを共存インストールして両方使いたい、という人には実にお勧めの一冊。改版点は、Windows XPを共存インストールする手順や注意点を追加したことに加え、コピーツールなしでも旧ディスクから新ディスクにOSやファイルをまるごとコピーする方法や、Windows XPパソコンにWindows98/Meをインストールする方法など内容は盛りだくさん。パワーアップ版になっているのだ(自称)。

■98/MeとXPの共存ってどんなこと?
さて、本書の第1章はこんな内容だ。

第1章 共存させるとこんなに便利

• Windows98/Me環境にWindows XPを共存インストールすると、パソコンの起動時にこのような画面が表示され、起動するOSを選択できるようになる。 CドライブにWindows98、DドライブにWindows2000がインストールされている例。

  複数のWindowsを一緒に使うということ
  
• Windowsの歴史とXPの位置づけ
• Windows 98/MeとXPの違いを知ろう
• 共存はこんなときにいい
• 98/MeパソコンにXPをインストールする
• XPパソコンに98/Meをインストールする

ここで「共存インストールやデュアルインストールとはなんぞや?」という人に簡単に説明しておこう。

一般にパソコンを購入するとひとつのWindowsが最初から入っている。店頭で購入したパソコンの場合、多くはWindows95、98、Meだろう。

一方、1台のパソコンに複数のOSをインストールすることをデュアル(2つ)ブート、とか、マルチ(いっぱい)ブートとか呼ぶ。

「ブート」とはパソコンを起動するという意で、語源はブーツ(長靴)の単数形、欧米人が朝起きてはじめにすることはBoot(s)を探す(履く)ことから、コンピュータの起動もこれを例えてブートと呼ぶと先輩に聞いたことがある。

んでこのマルチブート、多くは「WindowsもUNIXも使いたい、Be OSも使いたいじゃねーか」といったパワーユーザが主に利用してきた機能なのだが、Windows2000やWindows XPは一般のユーザにも利用できるように標準でデュアル(マルチ)ブート機能を持っていたりする。
もちろん共存できる対象は他のWindows(Windows2000やXPとWindows95/98/Me系、またはWindows2000とXPなど)である。決してLinuxなどUNIX系OSやMac OSなどは、標準では共存させてくれるわけもないのだ(余談)。

まぁ、雑誌などの編集において、某ディ○ニーのキャラクター様を、サンリオや赤塚先生のキャラと一緒に同ページ掲載すると「し・・神聖な私たちのキャラをなんと心得ているでしょうかぁ??」とつい口走ってしまう、某ディ○ニーの関係者様のその心境に似ているのである・・かも(汗;)。

それはさておき、共存すると起動時にOSをWindows 98やMeにするか、XPにするかを選択することができる。多くのユーザの場合、用途によって使い分けることが多い。例えば・・・

【従来通りのWindows 98やMeで利用するもの】

• XPに対応を発表していない周辺機器やアプリケーションソフト
• ゲーム関連
• 一般消費者向けでいかにもオマケ的なソフト
  (デジカメのオマケソフトとか、CD-R印刷ソフトとか)

【Windows XPで使うとうれしいもの】

• メモリをドカドカ食いまくるグラフィックソフト
  (フォットショップとかイラストレータとか、ドリームウィーバとかとか)
• リソースまでもドカドカ食いまくるビジネスソフト
  (マイクロソフト製のソフトとか、家計簿ソフトとか)
• 新しく購入したXP対応のソフトや周辺機器

とまぁ、こんな感じだ。特にたくさんウィンドウを開いて作業するのが大好きな人はできるだけXPを使った方が幸せになれるに決まっている。というわけで、とにかくみんな98/MeとXPを共存インストールするのが僕的にはお勧めだ。もちろん、僕もそうしている。

次回は、もう少し突っ込んだ解説や裏技も説明していこう。