会場入り口付近にボトッと寝ている(隠れている? 落ちている? 倒れている?) 巨大なスパイダーマン。会場ではスパイダーマン2の宣伝のためか、アクションショーが行われ、夕方の映画『スパイダーマン』の無料試写会の券が配布されていた。コンテンツを持っていると華が添えられて強みだ。

このデザインのAIBOはどうも苦手だ。生き物っぽいところが怖い感じ。更に展示会にいたAIBOは子供の声で喋ったり、いろいろな特技を披露していた。・・・AIBOがどんどん離れていくぅぅ。

■お目当てはホームネットワーク
実はこの展示会、はじめから僕はお目当てがあったのだった。スパイダーマンでもAIBOでも踊るロボットでもない。ロープと火薬のスパイダーマン・アクションショーや唱って踊るロボットショーの衝撃(をいをい:笑)につい忘れるところだった。それは「チャンネルサーバー」。・・・・なんだそれ? ふむ。

ソニーはホームネットワーク構想を「Cocoon」(コクーン)繭と名付けた。ネットワークはWeb(蜘蛛の巣)ではなく、上質のシルクでユーザを包み込むという。そして、繭が進化するごとく、商品そのものが成長していくコンセプト、それがCocoonだ。さて、実態はというと、AV製品やパソコンがネットワークで繋がって相互にデータを通信できる・・ソニーが提案する家庭内ブロードバンドのカタチである。チャンネルサーバーの他に、DVDやディスクレコーダ、大画面テレビ、そしてVAIOなどがその中に含まれる。展示会では「Cocoon」特設ブースとして設けられたが、それがすごい人気。一般公開の土曜日の午後は待ち行列でびっしりだった。

チャンネルサーバーは、ソニーの言葉を借りると「好きな番組だけをうつすテレビ」だ。ハードウェアとしてはハードディスクとTVチューナ、ネットワークコンポーネント内蔵の映像録画機器だ。今、話題のハードディスクレコーダ(スタンドアロン)と言ってしまえば現時点ではそれまでだが、あくまでもテレビであることをコンセプトとしている点が少し違う。チャンネルサーバーに自分の好みのキーワードを入力しておく。デモの例では「音楽」と「夜の連続ドラマ」をキーワードに設定しておくと、チャンネルサーバーが自動的にEPG(電子番組表)からキーワードに沿った番組を検索して録画予約する。更に、録画すればするほど個人の好みと傾向を分析するエージェント機能もあるようだ。ということは"昨日の夜中に中田選手のサッカーの試合があったのか・・うちのヤツ(チャンネルサーバー)、録画しててくれたかな?"なんて言う日が来るのだろうか。
番組を軒並み録画しておいて、帰宅した後、ゆっくりと見たい番組だけ再生して楽しむ、見なきゃすぐ消すという感覚だ(そこがビデオと違う・・たぶん)。先に観たい番組もキーワード検索で選ぶことができるので撮り貯めておいて、週末に音楽番組三昧ということももちろん可能。
この調子で番組を軒並み録画しておいて、帰宅した後、ゆっくりと見たい番組だけ再生して楽しむ、見なきゃすぐ消すという
側近で便利に感じるのは、仕事中や出先で見たい番組の録画予約を忘れた時だ(この機能は昨今のハードディスクレコーダなら既に実現している)。例えば、出先からパソコンや携帯電話のiモードで録画予約専用のホームページ「カモン!マイキャスター」にアクセスし、録画予約を行うとそのデータが自宅のチャンネルサーバーに送られて予約完了となる。

中二階に設けられた巨大なCocoon特設ブース。長蛇の列ができて、30分以上も待ち。

当たり前だが見た目はただの箱。チャンネルサーバー CSV-E77。IPアドレスをひとつ割り当てて常時接続環境で使用する。固定IPを使わせてくれるプロバイダとの契約が必要になると思うが、利用者が加入しやすいようにSo-netなどとネゴシエーションしている様子などは、まだみたいだった。11月1日発売予定。

Cocoonブース。それぞれの繭を家の各部屋に見立てている。写真左の繭がホームネットワークシアターのあるリビング、右がAVコンポのあるプライベートルームだ。写真にはないがこの左にVAIOのある書斎の繭がある。ごらんの通りの大盛況。

中央のリビングで簡単に操作。 チャンネルサーバーで録画した番組は大画面テレビWEGAやVAIOで楽しむことができるが、ホームネットワークで各部屋の機器が繋がってれば、好きなときに各機器で楽しめる。操作しやすいパネルがあったりする。まぁ、シームレスということだ。そして更に書斎のパソコンVAIOに保存した動画像や静止画像を大画面テレビへと映し出す。パソコンの画面より、大画面テレビに映った静止画像は大迫力だ。 大画面テレビはメモリスティック挿入口付きだから、VAIOからメモリスティックで画像を持ってくることもできる。この後、ナレーターはプライベートルームに移動し、書斎のVAIOに保存した楽曲をプライベートルームのAVコンポで聴く。迫力のサウンドで聞く。リビングのWEGAホームシアターシステムでも聴ける。

テレビ電話(と表現するべきかどうかは解らないが)でコミュニケーション。ハワイの映像を再生しながら、電話の相手先のテレビモニタに同じハワイの映像を映し出す。ふたりして、行きたいですね〜。 そして最後にDVD。ホームネットワークから書斎のVAIOに保存された映像をDVDに記録してDVDシアタールームで鑑賞。お気に入りの1枚を作成。

というのがCocoonブースでの一連の出来事。実際にはもっと細かいが、言ってみれば今までパソコンでは当たり前になっているネットワークによるファイルの共有・・それをAV機器間でも共有する、と言ったもの。コンセプトとしてはメモリスティックをネットワークに変えた版、という感じで目新しさはなかったが、すぐできそうな近未来的な理想像だった。ただ、現実にこのような利用方法が望まれているかというと・・少し疑問に感じるのだけれど。