地上アナログ放送が2011年に終了になる。
それに伴って、地デジやハイビジョンなどデジタル放送の注目度が少しずつ高まっているように感じる。HDD/DVDレコーダー市場はオリンピック景気に沸く一方で、各社の熾烈なシェア争いが展開された結果、最新の機種には初期の頃と比較できないほど魅力的な機能が搭載されている。高画質化、高機能EPG、そして個人的にはネット接続に注目なのだ。
■高画質/ハイビジョンへ進化
従来と同じ内容の番組を高画質で放送している地デジは、アナログとの画質の違いを誰でも見比べることができるので、デジタル放送の良さを具体的に示したと言えるだろう。
それを反映してか、高画質に対する感心が高まっている。
松下電器産業のDIGA EXシリーズは、デジタル放送のハイビジョンやサラウンド番組を高画質/高音質のままHDDに録画できる回路「PEAKSプロセッサー」を搭載し、「HDオプティマイザー」で高画質化、HDMI端子とビューティ・リアライザーを搭載することで、レンタルDVDもハイビジョンに迫る美しい高画質映像で再生できることをアピールしている。
(HDオプティマイザーについては「ディーガ高画質の秘密」を見てね)
従来のコンポジットやS、D端子がアナログ信号接続(デジ/アナ変換)なのに対して、HDMI(High Definition Multimedia
Interface)端子はデジタルのまま、クリアな映像と音声をやりとりすることができる。また、ソニーはズゴ録の上位機種に、動きが激しい部分やブロックノイズが多い部分を自動判別してデジタルノイズリダクションを行う機能や、DVDダビング時に2パス・エンコードを行い高画質保存する機能を搭載している。僕が愛用している東芝の『RD-XD91』は高画質録画用にチップセットやソフトウェアを新開発し、DVDの画質を向上する機能などを搭載している。
■進化している録画予約機能
東芝のデジタル放送対応のDVDレコーダー『RD-XD91』。魅力的な高機能満載、操作性最悪の、かなり偏屈なモデルだ。とりあえず愛機。 |
『RD-XD91』をはじめとして最近の機種は録画予約機能が特に進歩した。僕の場合、地上波はデジタルで鑑賞し(地デジ)、専門チャンネルやBSはCATVを利用している。地上波の録画予約にはEPGを活用しているが、EPGはテレビ画面に番組表を一覧表示する機能で、番組説明を読んだり、録画予約を行うことができる。
『RD-XD91』は、テレビ朝日系の地上波から番組情報を取得するADAMSとインターネットから取得するiNETのダブルEPGが特長。野球などスポーツ番組の延長で放送時間が突然ズレたときは「スポーツ延長機能」、最終回の特番などで放送時間が拡大した場合は「ドラマ延長機能」、深夜のアニメ番組など特番が割り込んだ関係で放送時間が変わった場合は「番組追っかけ機能」など、EPGの情報に合わせて自動的に録画時間を調整してくれる機能が各種用意されているので、録画指定の失敗や録り逃しを大幅に減らすことができる。また、iEPGなら、予約の多い番組ランキングや私が好きそうな番組を知らせてくれる機能もあるのだ。
■パソコンとLAN接続して快適度満点
『RD-XD91』にはLAN用のネットワークコネクタが装備されている。ブロードバンド環境にケーブル接続することで、インターネットを利用したEPG情報(iNET)が利用できる。ただ、『RD-XD91』のネットワーク機能の真の利点はLAN接続したパソコンから『RD-XD91』に対して入力や指示ができることだ(ネットdeナビ
Ver.2 機能)。
東芝『RD-XD91』に書斎のパソコンからアクセスした画面。録画予約はインターネットの番組表と連騰、タイトルもキーボードから楽々入力できる。
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例えば、私の『RD-XD91』はリビングに設置してありますが、番組を予約したり、録画した番組のタイトル名を編集するのは、いつも書斎のパソコンからやっている。私は締切前になると、原稿の執筆や調べもののために書斎に籠もるのだけれど、仕事の合間などにパソコンのWWWブラウザでリビングの『RD-XD91』にログインする。ログインした後、iEPGの番組表を閲覧し、観たい番組を選択するだけで『RD-XD91』に録画予約を指示することができるわけ。
レコーダーに付属のリモコンで文字入力するのはとてもイライラするけれど、パソコンからの操作なら、マウスやキーボードが使えるので、キーワード選択や番組タイトルの文字入力などもスイスイできる。僕の場合は、CATVも利用していて、そちらはチューナーとHDD/DVDレコーダーが外部入力で接続されているためCATVの番組にはEPGが使えないのでタイトル入力は時間があるときにパソコンで一気にやるようにしている。
■携帯電話から録画予約
また、ちょっと変わった機能として、放送中の番組や『RD-XD91』に録画した番組をパソコンのクイックタイムで観る機能や、パソコンで作ったDVDビデオ用のメニュー(背景)を登録しておく機能もある。また、電子メールで録画予約を行う機能もよく使う。予約を忘れたり、出張先や外出先で放映を知ったとき等、ケータイの電子メールで自宅の『RD-XD91』に録画予約の指示を行うことができる。操作は自分のメールアドレスにキーワードと放送時間、チャンネルを入力して送信するだけ。『RD-XD91』が定期的にメールサーバにアクセスし、録画予約指示のメールをみつけたら指示に従って予約処理を行ってくれるのだ。
■愛機
RD-XD91 の使い勝手はどうなのよ?
最後に私の所感でみた愛機『RD-XD91』。雑誌では書きにくい表現を使うと、起動時間が長く、全体的に操作に対する動作も緩慢、操作画面が直感的でなくマニュアルも超解りにくい、総じて言うと「操作性は最悪で、初級者には決してお勧めできるレベルではない」というのが正直なところです。
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具体的に言うと、全体の操作メニューが一箇所に集中していないどころか統一性もなく、例えば「DVDのファイナライズをしよう」と思ってもとっさにどのボタンを押すかが解りづらいといった具合です。さらに、通常、「××してください」とエラーメッセージのあとには「××しますか?」とやらなければならないことを選択できるサブメニューが出るのが常識だが、そんな工夫はまったくなし。××をやるにはどうするんだ?
とマニュアルを引っ張りださなくてはならない始末。
操作性の悪さにと立ち向かうそうとうの覚悟が必要だ。
ネットdeナビ機能をなど近い将来的、パソコンと家電の機能が融合していく未来像を垣間見ることができる点などは高く評価できるんだけど・・・。
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