■個人情報の流出がとまらない
もう、ほとほと嫌になった。辟易する。なんだか毎週のように「あなたの個人情報は漏れました、ごめんさない」というメールやら封書が届く。企業からだ。辟易する。毎月のように「あなたの個人情報は漏れました、クレジットカードを作り替えさせて頂きます」なんて封書が届く。そんな大切なモノ・・いい加減にしろ、と声を荒げたくなる。

　2003年以降の個人情報流出事件をザッとあげると、ローソン、三洋信販、アプラス(信販会社)、コンピュータソフトウェア著作権協会、ファミリーマート、NTTデータなど、今年3月からの発表だけでも、ジャパネットたかた、JALビジネス、東武鉄道、アッカ・ネットワークス、サントリー、日本信販、コスモ石油、三菱マテリアル、阪急、良品計画、ユーシーカードなどなど・・オマケに京都府警/北海道警までも。本当に止まらない。カードを不正使用された被害例もあるから利用明細はちゃんとチェックしておかねば、ね。おっと、しまいには「荷物整理で市個人情報４百人分ごみに　埼玉・草加、八潮」という記事まで。とほほのほ。である。

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日経BP社のアンケート調査「個人情報流出時に望まれるのは「金券」より「情報開示」（nikkeibp.jpアンケートから）」にもユーザの気持ちの複雑さが現れているが、ただ、詰まるところユーザとしてはやり場がない憤りとしかいいようがない。アッカからのメールを読むと「個人情報が流出してしまいました。でも信用情報は含まれていないから安心して。今後は注意します」という文面に笑って許せるユーザなどいるはずがない。「ニフティ、ACCA の個人情報流出の対応策を発表」(japan.internet.com)という記事もあるが、迷惑メールの受信被害を軽減する「迷惑メールフォルダー」の設定方法やメールアドレスの無料変更方法を案内する、ということが対応策と言えるものなのかとまた憤ってしまう。

「個人情報流出したら30万円以上請求したい―59％」(japan.internet.com)という調査結果もある。最も他人に知られたくない個人情報はクレジットカード番号で、それが漏れたら30万円以上賠償請求したい、という結果だ。面白い視点だし気持ちは解る。「過去に個人情報が知らないうちに漏れていたり、漏れたことで被害を受けた人は51.0％（515人）いた。これは2人に1人の割合で被害に遭っていることになる。」としている。これもまた凄い事実だ。

■盗まれないようにもしなくっちゃ

　企業による顧客情報の流出は、1ユーザーでは防ぎようがないが、視点を変えれば、自分が企業にとっては重要な顧客流出してしまう加害者になりうる可能性もある。その対策のひとつがパーソナルファイアーウォールやウィルスチェック機能付きのソフトウェアを導入すること。外部から侵入した悪意のあるウィルスやスパイウェアが自分のPCから情報をネットに垂れ流すことを防いでくれる。しかし、これだけではまだ不十分なので、脆弱性やセキュリティホールが発見されたソフトは最新版にアップデートしておきたい。ちょうどオフィスXPのサービスパック3(SP3)が公開中だ。SP3はこれまでリリースされていたセキュリティ修正パッチやOutlook 2002が乗っ取られるような脆弱性も修正される。また、主にウイルスやワーム、ハッカーによる攻撃から保護するためのセキュリティー機能などが強化されたウィンドウズXP SP2の提供もはじまっている。

　過去の事例では社員や業務関係者による犯行も多い。ガチガチのシステムを作ってネットワーク外部からの侵入を防御したり、ウィルスチェッカーなどを導入する一方で、PCをつけっぱなしで離席したり、残業時間などに誰でもPCをいじれる状態のまま放置したのではまさに「灯台もと暗し」だ。ウィンドウズXPはユーザーがきちんと設定すれば、かなり高いレベルでセキュリティが実現できるように設計されているOSだ。

　まず、ウィンドウズの起動時にログイン画面が表示されるように「アカウントを設定する」ことが基本だ。パスワード入力が不可欠となる。
離席時は「ウインドウズ」キーを押しながら「L」キーを押してログイン画面にしていくこと。
更にスクリーンセイバーから復帰するときにもパスワードが必要なように設定しておこう。簡単な設定ばかりだが、不在時にPCから情報をこっそり盗まれたり、PCの盗難や紛失のときでも大切な情報を守れる可能性が高くなるので実践しよう。