さて、このところまた、なるべく時間を作って演劇を観に行っている。カトケンの『ギャンブラー』、劇団四季の『マンマ・ミーア!』、プラチナペーパーズ堤泰之氏演出の『煙が目にしみる』など、安心してじっくり楽しめる作品をチョイスして楽しんだ。若い俳優の情熱的なのもいいが、やっぱり演劇はベテランが醸し出す独特のテイストが良い。実によい。カトケンの座長である加藤健一氏しかり。『煙が目にしみる』では鈴置洋孝氏と内海賢二氏をはじめとしたベテラン俳優陣が実に素晴らしかった。鈴置洋孝氏といえば、波瀾万丈やブライト艦長の声でも知られているが、内海賢二氏との魅力溢れる声の競演が絶賛である。よかよか。演劇は生で観るのが一番だが、そうもいかない人も多いだろう。仕事に忙殺されて時間がとれない、子育てがある、どれを観たらいいか解らない、お金がない、とかとか。演劇も探してみると意外にビデオ化やDVD化されているものも多いので、なかなか観に行けないというお嘆きの方は探してみると良いかもだ。東京サンシャンボーイズのビデオやDVDが安く売られているとなつかしうれしいのだが、なかなか見かけないので解散後の三谷幸喜氏の演劇作品のDVDを懐かしみながら楽しんでいる今日この頃だ。
なつかしいといえば、NHKの人形劇『新八犬伝』に夢中になった頃があった。辻村ジュサブロー氏の人形、坂本九ちゃんの語り、滝沢馬琴氏の原作と石川透氏の脚本が実にいい人形劇だった。今でも渋谷のNHKスタジオに見学に行った記念に買った、新八犬伝下敷きと、戯曲というか単行本上中下巻は大切に持っている。再放送を期待しても無駄。テープはすべて消却してしまっているらしい。しかし、唯一残った特番と劇場版がDVD化され、25年以上の歳月を経て蘇った。感涙である。いいものは何年経ってもいい。
閑話休題。

さて、サーバのトラブルのために少しお休みをもらっていたが、またDVDの話題で爆走するのでよろしくね。DVDビデオを作りたい、もしくはDVDビデオを作成したことがある人は、DVDビデオの制作作業自体には結構時間がかかって面倒だ、という感想を持っている人が多いことだろう。僕だってその通りだと思うぞ。ただ単に「DVカメラで撮影した家族の映像をDVDプレーヤーで気軽に再生したい」と思っているユーザにとっては、DVカメラをパソコンに繋いで、AVIで動画を取り込んで、MPEG2に変換して、DVDメニューを作成して・・なんて手順を踏むのは面倒だし、だいいちMPEG2の変換やDVDオーサリングの際にめっちゃ時間がかかって、ゲンナリするのが落ちだ。
そこでだ・・単に「DVカメラで撮影した家族の映像をDVDプレーヤーで気軽に再生したい」と思っているユーザにはDVDダイレクトレコーディング作戦なのである。つまり、DVカメラをパソコンに繋いで、動画をDVDに書き込む・・それだけのシンプルかつスピーディ、ストレスなく家族円満、人類みな兄弟、きみのものは俺のもの、感覚のDVD作成作戦なのだ(意味不明)。

■DVDダイレクトレコーディングとは
ダイレクトレコーディングはその、つまり、DVカメラからDVDドライブのメディアにダビングするようなものだ。家庭用DVDレコーダーを持っているなら、つまりそのダビングと同じことをパソコンでやろうってようなもの。
ダイレクトレコーディングはDVD-RAM、DVD-RW、DVD+RWのどれでもできる。ただし、詳しくは同じものではない。決定的に違う。詳しく説明しよう。
DVD-RAMとDVD-RWは「DVDビデオレコーディング規格」(DVD-VR)にそって、DVD-RAMやDVD-RW対応の家庭用ビデオレコーダーやDVDカメラとコンパチなフォーマットで直接DVDに記録しようというものだ。すなわち、家庭用ビデオレコーダーでテレビ番組を録画したり、DVDカメラで家族旅行を撮ったりすることをパソコンでもできるようにしたと考えればいいだろう。できあがったDVDはビデオレコーダーやDVDカメラと互換性があるためそれぞれの機器で編集できる。これらの機器を持っている人にはとても役立つ機能だ。
それに対してDVD+RWのダイレクトレコーディングはもう一歩進んでいる。「+RWビデオレコーディング」(DVD+VR)と呼ばれるその機能は、ダイレクトレコーディングして作ったDVDがDVDビデオとコンパチなのである。つまり、家庭用DVDビデオプレーヤーやDVDドライブ付きパソコンで再生できる。こりゃあ、凄い・・というわけだ。ちなみにDVD-VRとDVD+VRには互換性がない。もちろんコンセプトが異なるので、どちらに価値を見出すかはユーザや環境次第である。

DVD+RWについて(株式会社リコー) DVD+RW/+Rの最大の特長のひとつは「DVD+RWビデオレコーディングフォーマット（DVD+VR）」です。もともとがビデオオーサリングの思想からはじまったDVD-VRとは異なり、パソコンでも使える規格を目指したDVD+RWは、より精度の高い技術が要求されました。DVD+VRが実現したのも、DVD+RW規格がディスク上において正確なアドレスに動画データを書き込む事が可能なロスレスリンキングを実現しているからです。DVDプレーヤーとの再生互換性を維持しつつ、動画の追記や編集が手軽に高速にできることがDVD+VRの特長です。 リコーは、コピー(リコピー)やプリンタなど、マルチメディアドキュメントをプリントしたり再現する道具を提供してきた企業です。CD-RやDVDなど電子ファイル時代を迎えても、マルチメディアドキュメントを保存したり再生する技術や媒体を提供しています。誰に渡しても世の中にあるあらゆる再生装置、つまりパソコンや民生機器などで幅広く再生できることが最も大切なことだと考えています。その方針に基づいて記録型DVDの規格はどれが最も適しているかを考えたとき、DVD+RWが最も適したDVD規格であると結論に達しました。

株式会社リコー パーソナルメディアカンパニーMMP事業部課長技師 大庭秀章氏。

DVD+RW/+Rドライブを常にいち早く市場に投入してきたリコーは、DVD+RWの特長をこのように語っている。一方で、DVD-RWを推進してきたパイオニアは「DVD+RWがロスレスリンキングと言っている技術自体は、DVD-RWのDVDビデオレコーダーの世界では当然のように使われてきたものです。正確に書き込めなければそもそも映像の追加記録はきちんとできないですから」(ホームエンタテインメントカンパニー 企画グループ 副主事 宮崎武雄氏)と反論する。
また、「DVD-VRのダイレクトレコーディングに対応したパソコン用アプリケーションソフトが十分でなかったかもしれないが、今ではDVD-VR対応のアプリケーションもあり、DVD+RWが特長としている高速フォーマットにもDVD-RWは対応しました。DVD-VR対応機器同士の互換性もあり、性能ではまったく引けを取らない、同等のものだと思っています」(コンポーネント事業部企画課 課長 吉村隆一郎氏)と語っている。そのパイオニアも最新機種ＤＶＲ−Ａ０６−ＪではDVD-RW/-Rに加えて、DVD+R/+RWにも対応することになった。

前述したように、ダイレクトレコーディングについて言えばコンセプトが異なるので、DVD-RWとDVD+RWで優劣をつけることはできないが、リアルタイムで記録した動画がDVDメニューに組み込まれ、DVDビデオプレーヤーで再生できるというDVD+VRの流れは、文章で読むより実感としてはすこぶる快感なのである。その点を今回は特に強調したい。

■neoDVDのDVD+VRダイレクトレコーディング
DVカメラとDVD+RWドライブを接続したパソコンにDVD+VRダイレクトレコーディング対応のソフトウェア『neoDVD Plus』をインストールして、取り込みながらDVD記録する手順を解説したものが下記だ。

1. neoDVDを起動する。ウィザードを選択し、最初の画面でディスクフォーマットに「DVD+VR」を選択したら作業開始だ。

2. 接続したDVカメラから取り込むには「ライブキャプチャ」を選択する。

3. DVカメラを画面からコントロールし、記録したい動画と画面を確認する。

4. DVカメラからキャプチャする時間を設定することができる。

5. DVDメニューの形式を選択する。

6. DVDメニューの背景を選択する。

7. DVDメニューのタイトルを入力する。文字の色やフォントも指定可能。

8. メニューの選択ボタン(選択画像)のフレームを指定する。

9. 記録するドライブを選択する。例ではソニーのデュアルRWドライブを選択している。

10. フォーマットしていなメディアだと、フォーマットを促すアラート画面が表示。「はい」を選択すると動画のキャプチャとMPEG2変換、DVDへの記録がリアルタイムで行われる。

11. 書込作業完了後、すぐにDVDメニューをメンテナンス編集できる。右の子供の画像は自動でサムネイル化されたもの。この動画に名前(ゲレンデにいこう)を付けてできあがり。 実に簡単だ。追加の動画を入れたり配置を替えたりなどが思い通りだ。できあがったDVDはDVDプレーヤーに入れて再生もできる。 完成

※各社のインタビューは2003年3月に実施したものです。

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